一大事故

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この写真は32年前に東京・根津にある日本医科大学付属病院で撮られたポラロイド写真。

頭に包帯をぐるぐる巻きにしているのはわたし。7歳のときの事故でした。
事故は自転車での自爆。電柱に自転車でぶつかって、横倒れすればよかったのだけど、前輪がはねてしまって、垂直にアスファルトに頭から撃沈。
その後、泣いて家まで自転車をひいて帰ったらしいが、その記憶はない。

自宅について「頭が痛い」と母に言ったらしく、母はそのまま布団に寝かせ、夕ごはんだからと呼びに来たら、もうろうとしながら和室に何箇所も吐いていたらしい。
これは大変!と父の帰りを待って、そのまま車で市内の病院へ。
当時は病院ごとに脳外科の先生が常勤はしておらず、福生の16号沿いにある目白第二病院へ救急車で移動。
頭のレントゲンを撮ったら、頭蓋骨にヒビが入っていたらしい。当時はCTスキャンがなかった為、レントゲンでの確認のみだった。(数年後だったらCTスキャンで脳内が確かめられたので、手術は必要なかったかもしれない)

様子をみていたが、意識を失ったり、またもどったりを繰り返していたので、開頭手術へ。
(様態が急変したときだったのか、急いで頭を坊主にしなければならなかったが、間に合わないので、患部以外を残して切って、後で全て坊主にしたという話しを聞いた)
頭のてっぺんから、ちょうど真ん中を首筋あたりまで切って、ひびの入った頭蓋骨部分をカットして脳内を調べるという手術。

半日以上の手術の後、内出血はしていないことを確認。
ひびがはいっている部分の骨は丸く取り除き、変わりにレジン板を入れて縫合。
(レジンとは現在も歯医者の治療で使われている、仮歯の際に治療部分に入れる白いセメントみたいなもの)

よく、怪我で何針縫った!とか言っている会話を聞いて、後から何針という意味を知ったとき、わたしは一帯何針縫ったんだろうか...と思ってびっくりしたことがあります。

術後の第一声が「お腹すいた」(全身麻酔で3日くらい点滴だけだったので...)
12畳くらいある無菌室に隔離される。

田舎からおじいちゃんとおばあちゃんがお見舞いに来てくれたのだけど、給食で使うような帽子と、手袋とマスクと白衣を着ていたので、給食当番みたいだなと思っていた。母も気軽に部屋にいられないような状態だった。

その大きな部屋には、対角線上に同室の男の子が一人いただけ。
(夜になると「ママのカレーが食べたいよー」ってよく泣いてた男の子だった。その子をよくあやしてたらしく、小さいのにしっかりしたおねえさんと看護婦さんに言われてたらしい。)

まだ背が小さくて、トイレの洗面台の上の鏡を見ることができなかったので、しばらく自分がどんな状態なのか知らなかった。ただ、頭はさわっちゃいけないと思っていた。そんなわたしに担当の先生がポラロイドで写真を撮ってくれたのが、表紙の写真。写真がすぐにできるのにもビックリしたが、自分の包帯グルグル巻きにもビックリ。しかも生え際のところがちょびっと包帯から出ていて、そこを触るとジョリジョリしていたのに更にビックリ。(ミイラ男ならぬミイラ女...さらにハゲ)

入院中も特に寂しいと思った記憶はなく...意外とエンジョイしていました。看護婦さんと。
ただ、変な時間に目が覚めて困った(薬で寝かされている時間があるので)のと、好き嫌いがあったのでごはんが美味しく食べられなかった時があった。(巻きずしみたいのが出てきて唖然とした。中身を抜いて米だけ食べた)

その後、容態も安定したので、目白第二病院に移り、しばらく入院。
入院中も頭が特にどう、というわけではないので、すこぶる元気。(7歳では状況も把握できないし恐怖も感じてはいないのです)

ただ一度、頭にたまった血を抜くのに、親指くらいの注射針を頭にさされて血を抜いたことが。
そのときにはさすがに、注射を見てビックリして大泣き。実際は痛さを感じなかったような...(それから注射を見ると条件反射で力が入り涙目になります)

校長先生と教頭先生がお見舞いに来て下さいました。
そうこうしている間に2ヶ月くらいで退院。

小学生の女の子には厳しいスタイリッシュな坊主頭。
頭をぶたれると危険なので、クラスが変わるたびに、先生に告知してもらってました。

この頃は、定期検診で脳波を目白第二病院まで診察に。
現在の脳波の機械は配線を吸盤で頭にぺたぺたするのだけど、当時は針になっていて、それを何十本も頭に刺す診察方法でした。
それが痛くて、刺し終わるまでに横になっていた耳の中が涙で一杯になってしまって、看護婦さんがもらい泣きしてました。
本人はその後の頑張ったね!って買ってもらえる「クッキー」が楽しみで我慢してました。

当時の先生の話しでは、小学生だということもあって、まだ成長期なので、レジンで仮に骨として入れた部分は、じきに自骨と同化して、むしろ強くなります、という話しでした。

同化するまでの間、仰向けに寝るのはさけたほうがいいのと、衝撃から頭を守らなくてはならないことをよく言われていましたが、小学高学年にもなるとさっぱり自分でも治った気分でいました。

中学に入ってから、父に呼ばれ、頭の成形手術をするかどうか聞かれました。
じっさい頭のカタチがすごくイビツで、開いたときに切った部分は頭のてっぺんからまっすぐに毛がはえていません。
二つに結くことができません(もうやらないけど)
骨をくりぬいた部分も手で触るとわかるくらいイビツです。

手術するにはまた全て髪を剃らなくてはならないのですが、父はかつらを用意するからと言ってくれました。
でも形のことなら別にやらなくてもいいかなあ...と思い、やらないと決めました。(あのとき病院に通っていれば...もうすこし...)

それからなんとなく月日が流れ...(だいぶ月日が流れてるけど...
一昨年、頭の手術部分がすごく腫れてしまいました。

びっくりして吉祥寺の脳外科に行くと、CTスキャンも髄液検査も異常なし。
どうして腫れているのかわからないとのこと。
しかも腫れている部分がずるずると下に移動するのです。
熱を持っているので、頭からネットをかぶって冷やしていたら、数日で治りました。

それでも怖いので...武蔵境の赤十字病院で見てもらうことにしました。
脳外科に行き、一通りの診察、CTなどを行った結果、先生に感心がられました。
「よく今まで何もなかったね」と言われ、びっくり。

実際、本当は定着するはずだった患部が、結局は定着せず、今もガボガボと動いてしまっています。
仰向けになったりすると、重力にさからうこともなく、骨がガボっと動くのです。脳に押されて。
まあ普通じゃないのですが、ずっとこんなだったので、こんなものかなあと思っていたりしていました。

お医者様の話しですと...
ずいぶん前の手術なので、詳しいことはわからないが、とにかく骨は定着できなかったと。
そしてレジンを体が異物として反応しており、長い年月をかけて、レジンのまわりに膜を作ったらしい。
(通常だとこのように膜をはった状態にすることで、体に入った針とかを体の外に押し出すわけです)

患部がガボガボ動くせいで、日常的に皮膚に摩擦がおき、枝豆のまめくらいの大きさで局部的に皮膚がかなり薄くなってしまっている箇所がある。
薄くなっているので、たとえばシャンプーとかでガリっと爪でひっかいてしまったりして、ちょっとした傷がついたところに、バイキンが入ると化膿してしまう。
これは普通の傷口なのだけど、わたしの場合、骨の部分に血液が循環していないので(レジンだから)白血球が存在しない為、治りが遅いのと悪化しやすい。
それで、これらが頭で熱をもってぶよぶよと動いていたらしいです。(しかもなんだかかゆい)

脳外科の先生には、今すぐその骨を入れ替えた方が良い、と言われたのですが、その後に、表面のことは形成外科だからと、形成で治療を受けた。

先生が「はい、これ軟膏ね。これ患部に塗っておいて。治ったらまた来てね」というので治ったころにまた病院を訪れた。

先生曰く、頭のレジンは入っている限り、体がそれを異物としてみなす為、反応が出て、疲れがたまったりすると、患部が腫れたり熱がでたりしてしまうそうな。
でもそれを取り出して、自骨でまかなう手術もあるのだけど(おしりか足の骨をうすーくスライスして敷き詰めるらしい)この方法だと、骨が強くできあがっていくわけではないので、衝撃にかなり弱く、むしろ衝撃で割れる可能性も高く、脳が危険にさらされる場合があるそうな。熱は下がるし膿まなくなるんだけどね。

というわけで、現在は保留です...保留になってるんです。

多分、若い頃は免疫力も高く、自然治癒力も高かった為、なんとかやりきってきたのだと思います。
現在はというと、平熱が36度後半で、ちょっとするともう37度は当たり前。
何かだるいからと病院に行ったときは38度も熱があって、看護師さんに「横になってますか?」と心配がられたほど。
でも本人ちょっとだるいくらいです。(慣れてます)
夏場はでもすごい汗だくになるので、暑苦しくてやな人です。汗がダーダーです。ハーハー言ってるときもあってへんな人です。
相変わらず頭はガボガボ動くので、仰向けに寝れません。
開頭したのは右側なので、若干左向きに寝るのが癖になっています。

ここのところ体調が思わしくなく、現在熱があります。そして腫れてます。
最近になって、もうちょっと真剣に考えなければ!と思っている今日この頃でした。
実際お会いする機会があれば、頭を触っていただければと思います...。
この上ないホラー。


...ノンフィクションですよ!



次回は事故の後遺症なのか、耳が聞こえない件についてお話します。


ちなみに明日は30代最後の誕生日ですYO!

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