私の戦い 「いつもの」編

土曜日のAM10:30、ここはいつものモスバーガー。
毎週土曜日の朝は駅北口にあるモスバーガーで朝食を食べることにしている。
注文するものは決まって「ロースカツバーガー+ホットコーヒー」と決めている。
半年ほどこの習慣を続けていくうちに、ある目標が芽生えてきた。

モスバーガーで「いつもの」って注文したい。

そこは繁華街の路地裏にひっそりと佇む、こじんまりとしたBAR。カウンター席しか無いその店内ではマスターが長年コツコツと集めたJAZZがしっとりと流れている。マスターは何十年もの間そのカウンターの中から時代の流れ
をただ見つめてきた。
いつものカウンターの一番奥に座る。マスターは多くは語らない。
「マスター、いつもの」

的なことである。


どうしても言ってみたくて仕方ない。もう止められない衝動に押し潰されんばかりだ。
この半年、毎週。同じ時間に同じメニューを注文してきたんだ。さすがに分かってくれるのではないか。
今日こそ言ってみよう。もしかすると日本中探してもモスバーガーで「いつもの」と言ったことがあるヤツなんていないんじゃないか?
ということはオレが先駆者、パイオニアだ!
もはや決意は確固たるものになった。

勇気を振り絞り、店に入る。
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですかー?」
さあ言うんだ、ここだ!
「い、い、いつもの・・・・」

「いつもの・・・ロースカツバーガーとホットコーヒーで・・・」

「かしこまりましたー」

戦いに負けた。
なんなら「いつもの」+「メニューを言う」という微妙な負け方をした。


今年30歳をむかえる私の戦いは続く。


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