愛犬ボブについて

「うちの犬に子供が3匹産まれたんだよ。今度の週末にでも見に来ない?」
ある日友人夫妻から電話をもらった。次の週末は予定が入ってなかったこともあって、この友人宅を訪ねることにした。ちょうど友人夫妻が新しく購入した中目黒の新居にもまだ行ったことが無かったし、ちょうどいい機会だった。

あくる土曜日、妻と一人娘を連れて中目黒へ。娘にはどこに行くのか、何をしに行くのかはナイショにしておいた。恐らく産まれたばかりの子犬を見た時は喜ぶことだろうと妻と計画した。ちょっとしたサプライズ。

友人宅は、中目黒駅前にそびえるタワーマンション。円形の形状は特徴的で一際目立つ建物である。この立地でこの高さなら東京中が一望できるだろう。しかしいったいいくらするんだか・・・。さすが歯科医だなとただただ感心。

玄関を開けると、友人の奥さんと子犬達の父であるラブラドールレトリバーが出迎えてくれた。挨拶を交わしリビングへ移動すると、さすがタワーマンションな景観だ。東向きのリビングなので、レインボーブリッジからお台場がキレイに見えている。横を見ると妻の目が完全にうっとりしてる・・・。これは後々ねだられるな、とちょっとした覚悟を決めつつ友人とここ最近の無沙汰を詫びつつ手土産である焼酎を渡す。彼は無類の焼酎好きだ。ここでワイン好きじゃないところがまた好感を持てるヤツ。

娘は人見知りの気がちょっとあり、まだ妻の後ろに隠れている。友人が盛んに娘にちょっかいを出してるが、照れてるんだろう。妻の脚にしがみついたまま。
しばし、僕たちは最近の仕事について報告しあう。妻達はやれヨガだのエステだのといった話に夢中である。

さて、本題である子犬拝見!ということで隣の部屋に移動するとお母さんゲージの中でお母さんのおっぱいを夢中で吸ってる3匹のラブの子犬達。どの子もきれいな黒の毛並みである。お母さんはやや我々に警戒そうな表情を見せたがすぐにまたおだやかな母の目に戻った。犬も人間も同じだね。
すると、これまで妻から離れなかった娘が一目散のゲージに駆け寄る!
「ママー、これ赤ちゃん?犬の赤ちゃんなのー?」「おめめが開いてないの?なんでー?」と、一気に子犬に夢中だ。お前さ、さっきまでの人見知りはどうなってるわけ?と思いつつ妻と小さくガッツポーズ。作戦通りだね。

しばらくして、ゲージにかぶりついてた娘が突然何か言った。「なに?今なんて言ったの?」ちょっと聞き取れなかった僕は娘に聞き返すと、「この子、ボブだね」と3匹の中の1匹を指さして言った。どうやらこの1匹がお気に入りのようだ。僕には残念ながらどれも同じにしか見えないんだけど、子供には分かるんだろう。もうそれからはずっと「ねえボブ」と話しかけている娘。僕たちにも何でボブなのか分からないが、娘とその1匹の会話の中ではボブなんだろう。

「実はさ・・・」と友人が口を開く。
「実はさ、今日はこの子犬達の里親になって欲しくて呼んだだよ。うちもさ、全部で5匹っていうのはちょっとな」
「どうだろうか、娘さんもこのオスの子とすっかり仲良くなったみたいだし、、さ。ほら、名前もボブだっけ(笑)、決まったみたいだし。」

うーん、、、そう来るか。どうする?と妻に聞くとまんざらでも無いご様子。「ほほー、そうですか」と悩んでいると、子犬に夢中だった娘が突然振り返り「パパ、ボブはね私の弟なの。一緒に帰る」と今まで見たこと無い表情で訴えてくるじゃないか。おいおいもうすっかりお姉ちゃんの顔だな。

ということで、その日からボブは我が家の一員となった。ボブは我が家にただ増えた家族だけじゃなく、いろんな効果をもたらしてくれた。
まず、人見知りの甘えん坊だった娘がすっかり大人になってしまった(笑)。一緒に散歩に行く公園では、初めて会う人とも元気に挨拶できるようになった。
また、いままで水が怖くてお風呂嫌いだった娘がボブをお風呂に入れるようになり水嫌いが治った。ボブは水を怖がらなかった。まして海なんか怖くて全く入れない娘も、ボブが一目散に砂浜を走り抜け海に飛び込んでいくものだから次第に一緒に入るようになってるし。

まあ僕にとっての誤算は、朝一で散歩に連れて行けとばかりに起こしに来ることか。おかげですっかり朝寝坊も解消。今まで文句を言ってた妻が仕向けたんじゃないの?ってね。

なんにせよ、ボブが我が家にもたらしてくれたことにとても感謝しているのです。
なあ、ボブ。これからも我が家を頼むよ!


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という妄想な今週号でした。
妻、娘、ボブ、中目黒のタワーマンション。欲しいものをまとめたらこうなりました。
あー楽しい。

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