ウソのような本当の話 第4話「作戦会議な夜」

<7章 ついに再会! 2004年8月>

元カノ改め銀河系改めチャレンジャーとの事前会議を成功裏に終え、お盆休みにいざ主戦場である茨城に乗り込んだワタシ。当初の日程を一日繰り上げ茨城入り。家族には高校の友達の会う予定が入ったからというもっともらしい理由を付け細かい準備は完了。
チャレンジャーとの事前調整により、常磐線特急電車で水戸駅に降りそこにチャレンジャーが迎えに来てくれて、そのまま首脳会議に突入することになっている。上野駅を出発した特急スーパーひたちの車内、水戸駅までの1時間でこれまでの状況を再度おさらいし首脳会議に備える。
<ポイント>
・結婚式を迎えるにあたってこの事を隠していくことの再確認
・結婚式当日をどうやり過ごすか
・なぜ チャレンジャー>私の構図なのかを確認

水戸駅の改札を出ると、そこには4年振のチャレンジャーの姿。さすがに顔は忘れていなかったことにまずは一安心。相変わらずのお姿に遠くからでも気付く。万が一そこにいるのに気付かないなんて失態を犯して逆転した立場が更に悪化するようでは首脳会議の先行きがさらに怪しくなる。ということでまずは私、合格。

※ちなみにチャレンジャーは知念理奈(懐かしい)とELTを足して2で割ったような容姿。いや、そのまま知念。

知:「やあ久しぶりじゃないか!」
私:「おお久しぶり。迎えに来てもらってわりいね」
知:「いやいや、全然いいよ。元気にしてた?」
私:「おかげさまで元気にしてるよ。そっちは?」
知:「元気にしてますよ」
知:「立ち話もなんだから、とりあえず行こうか?」

なんていきなり会話の主導権は取られながらもお決まりの挨拶を交わし、知念の車にて移動。長時間の会議を暗示するかのように戦場はガストに決定。車中ではさすがに高校生とは違い大人になった我々は、いきなり本題に入るという暴挙には出ず「今日は暑いね〜」「東京も暑いの?」なんて話をしながら移動すること15分、会議場ガストへ到着。

この時点での私は、この後店に入ってからの会議の内容やフローをイメージしていた。改札で会ってからここまではなんとなく内容には触れないまま来ていたということにも油断をしていた。そもそも今日の趣旨は、来る姉の結婚式に向けた作成会議である。

と、思っていたのは私だけだったみたいだと自分の甘さに気付かされるとはこの時点では思いもしなかった。知念の中では、どうやら、主題はそうじゃなかったのである・・・。

知念=強 私=弱 をまざまざと思い知らされることになるとは。


<8章 いざ首脳会議 2004年8月>
弱:「ていうかさ、本当に今回はびっくりしたよね。ほとんどギャグじゃない?」
強:「まあ確かにね。こんなことってあるんだね。」
弱:「こんな話、ドラマでもないぜ!」
強:「ほんとだよねー。」

強:「ていうか、一個聞きたいことがあるんだけどいい?」
弱:「何?」
強:「なんで付き合ったの?」
弱:「さあ、やっぱり同じ職場だったからなんじゃないの?良く分かんないよ」
強:「は、良く分かんないってどういうこと?」
弱:「いや、そんな言われても分からんものは分からんよ」
強:「何その適当な答えは?」
弱:「適当って、、、そんなの当事者じゃないと分かんないでしょ?」
強:「あんた、誰の話してんの?」
弱:「は?誰って、姉達のことでしょうよ」
強:「・・・・・・・鈍いねー」
弱:「え、何が?」
強:「だから、あんたは鈍いって言ってんのよ」
弱:「ごめん、言ってる意味が分からないんだけど」
強:「私は、昔の私たちの話をしてるんだけど!」
弱:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
強:「だから、なんで私と付き合ったのかっていう話?」

しばし沈黙。

弱:「え、俺達の昔のことを言ってる?」
強:「そう!だからそう言ってるじゃない」
弱:「ていうか、なんで話が俺達の事にすり替わってんだよ」
強:「ずっと聞いてみたかったんだけど、分かれてから会う事も無かったし。いい機会じゃない?」
弱:「いやいや、なんで?」
強:「じゃあ言わせていただきまけど、あの付き合い方はなんだったの?」
弱:「・・・・・・・」
強:「付き合ったのはいいけど、連絡はマメじゃないし・・・」」
弱:「・・・・・・・」
強:「全然会ってくれないしさ、会っても時間短いし」
弱:「・・・・・・・」
強:「やれ、バイクだの友達と約束だのって全然だったじゃない?」
弱:「・・・・・・・」
強:「しまいには、東京の大学に行くからって勝手に決めたね、君は。」
弱:「・・・・・・・」
強:「はてはてこの人はどういうつもりだったのかなーってね」
弱:「・・・・・・・」


強:「なんてね」
弱:「??????」
強:「おお、黙り込んでしまって可愛そうに!(笑)」
弱:「え?」
強:「そんなにいじめるつもりは無かったんだけどさ」
強:「ほらさ、これからは親戚としてずーーーーーっとお付き合いしていく訳だし、」
強:「なんか昔のしこりを残したままっていうのも嫌じゃない?」
弱:「ま、まあそうだけど・・・」
強:「だから、敢えて今日は言いたい事全部言って、すっきりしようかなーってね(笑)」
強:「これでさ、私はすっきりとした気持ちで、あなたの親戚になれるわよ!」
強:「ちなみに、関係論としては、私はあんたの兄弟だからね!」
強:「覚悟しなさい(笑)」
強:「大丈夫よ、結婚式は上手く初対面を演じるから安心しなよ!」

完全なる敗北であり、女は強く男は弱く、女は賢く男は愚かであることをまざまざと見せつけられた首脳会談。いや、もはや首脳会談ではなかった。全く土俵違いである。

知念ペースで首脳会議を終え、自宅近くまで送ってもらった。車から降り知念の車は発進していった。ところが、数メートル先で止まった知念。ウィンドウを開け、何か言いたげでな知念。ちょっと離れた距離で細かい表情は分からない。そして大声で
強:「それとおー、」
弱:「何い?」
強:「*******!」
弱:「聞こえないー!」
強:「私もー、来年結婚するんだー!」 「じゃあ、結婚式でねー!バイバイー!」

そのまま走り去る知念車。

一番言いたかったのはそれじゃん!不思議と一人で笑いが止まらなかった。

<最終章 その日のあとに・・・>
数ヶ月後、姉の結婚式で再び会った彼女は見事なまでに初対面を演じきり、また家の親戚一同にも完璧な対応をし大いに株を上げていた。周辺のおじさん連中からは、お前はあの妹さんと結婚した方がいいじゃないのか?と言われる始末。心の中では苦笑いの連続である。
結婚式自体もとても良い式で、姉の幸せそうな姿は印象的だった。

無事にその日を終えた後はまたしばらくは平穏な日々を過ごしていた私は、母から彼女の結婚式の話を聞いた。とても良い式だったとの事。すかさずあんたはいつなの?とついでに差し込んでくる母はさすがである。

結局、結婚式後は特に連絡を取る事もなく、たまに母経由で子供が2人になったことなんかを聞いては、なるほどねーと意味も無い感心をしている。そしてその後は一度も会ってない。まあ元気にお母ちゃんやってることでしょう。

いつの日か、そりゃ親戚だから会う日が来るんだろうけど、その時は対等な立場になれてるように次の「その日」に備えてがんばっていかないといけないな。
向こうの子が2人なら、こっちは3人じゃ!(子の数で競うな)

波乱を呼んだ姉の結婚は正直迷惑な話だったけど、その分楽しかったかもな。今だから言えるんだけど。


さあ、こっちもぼちぼち始動するかね。
永遠に負けられないライバルとの戦いに備えて。

ー完ー

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