第2話 「その日の前に」
<3章 今さら引き返せない 2004年7月〜>
母ことテロリストからの入電により、突如窮地に立たされた私。誰にも知られてはいけないという壮大なミッションを勝手に背負い込むことになりつつも、ただいつか来る結婚式というその日に備えていた。
ご挨拶って言われてもどうしようかなーなんて当日の事ばかり考えていた。ていうか、あの娘はどんな感じで挨拶するつもりだろう、、か、、、ん!!!とっても基本的な事を忘れていた!私が貝の如く口を閉ざし、隠してればいいだけじゃない!あの娘がこの事実を自分の家族に話してしまえばそれでこのミッションは失敗ではないか!しかも、テロリストから妹の話された時に「へ〜、そうなんだ」的に素っとぼけた回答をし、さらにテロリストからの「知ってたりしない?」って聞かれた私は「知らない」と断言している。
あの娘、割と自由奔放な銀河系女子だったからお構いなしにバンバン言っちゃってんじゃないか?なんならあんな事やらこんな事まで・・・。不安である。
事態は既に急変し、過去の付き合っていたという事実を隠すだけではなく、私の恋愛事情やらなんやらまでもが親類に晒されるのではないかという危険まではらんできている。高校生なんてろくな事をしていないだけに、非常に危険である。
ここで可及的速やかに実行すべきミッションを決定。
☆その1:銀河系と口裏を合わせる。というか、口を塞ぐ。
☆その2:そもそも、まだバレてないか確かめる。
この時すでに7月下旬。もうすぐお盆がやって来て、実家に帰れば当然この話になる。それまでにこの2つのミッションをクリアせねばとてもじゃないが恐ろしくて実家になんていられない。
俺が何をした!と文句を言いたい気持ちぐっと飲み込み、活動開始な初夏。
もう今さら引き返せないのである。
<4章 笑っていいとも的、あの娘を捕まえろ! 2004年8月>
銀河系の口を塞ぐというミッションをコンプリートする為にまずは連絡を取りアポイントを取らなくてはならない。しかし携帯電話に銀河系の電話番号は既にない。ということは何とか友達の輪を駆使して銀河系にたどり着く以外は無い。銀河系は地元に在住なのでまずは地元の線からあたるという事は分かった。
考えてー、イメージしてー、思い出してー。
銀河系→同じ高校にいた同じ中学の友達→その友達のバンド仲間→バンド仲間の友達な同じ高校のヤツ→私。
完成!友達の輪。驚異の5段活用。元カノに遭遇する為にこんなに経由せざるを得ないことは微妙に不本意ではあるが、今はそんなおセンチな事を言っている場合ではない。そうこうしている間にいつ話が広がるか分からない。
とにかく、一人一人連絡先を繋いでいき、「なんであいつの連絡先が必要なの?」と聞かれる度にウソを重ねたり、まだ途中なアナタとの無駄な長電話に付き合い、高校の時の武勇伝なんぞ今はどうでもいいんじゃ!という気持ちをぐっと飲み込み、バンドメンバーが突然辞めたという愚痴に付き合い、あらゆる苦難を乗り越え、時間を使い、電話代を使い、、、
ついにキターーーーーー。銀河系の最新電話番号ゲットである。この達成感、尋常ではなかった。なんなら付き合う時よりうれしかった可能性大。人類皆友達説有力。下手な鉄砲、数打ちゃ銀河系に当たる。
プルル、プルル、、ガチャ
銀:「はい、もしもしー?」
私:「・・・・・・・あ、」
次週 ウソのような本当の話 第3話「焼けぼっくいに火をつけるな!」へ続く




